2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
流行 鶴岡 卓哉 僕は、最近、新しく新興スーパーが出来て、廃れてしまっているエース・ストアでバットマンに盗まれそうになった声を体からひとり絞り出した。 「なんのスプレーを買うべきだろうか?」 彼女はスプレーが好きだ。ただ、僕は絶対に買わない(こ…
講談社文庫 1979年 1920年代のマフィアやその風俗に詳しい。 20年代のフィッツジェラルドとか、その辺り の話は興味深い。まず、冒頭のエッセイが19 73年に書かれたものなのだから、丁度52 年前に書かれたものだ。半世紀も経てば、その 評価…
2011年 2・4 ㈮ 八〇.二キロ 晴れ 船に穴をあけて、沈める、それだけのことさ。僕は沈んでいく、底のほうへ底のほうへ。行くあてもなく彷徨う、どこに行こうとかまわないのに。心臓がバクバク言っている、青春なのさ。一、二、三、四、五……。僕が消えてもこ…
2005年 12・6 「エロティシズムに関する逆説」 ジョルジュ・バタイユ 生田耕作・訳 (「マダム・エドワルダ」所収) 文学はエロティシズムと相反する。反復による退屈を避けるため無秩序さが必要だ。サドが到達した不可能性というものは実現不可能なことだと…
2005年 11・25 「ある流刑地の話」 フランツ・カフカ 本野享一・訳 旅行者が流刑地で精密な機械で処刑される現場に視察に行くが、その精密な機械は文字を体に刻む。社会から隔絶された地での、むごたらしい残虐性を帯びたものによってもたらされる処刑人の、…
新潮文庫 2007年 「バスに乗って日本橋からトルコまで行ってみよう」。 オンボロバスを乗り継いで、アジアをインド、パキス タンなどを経由して、ただひたすらにバスに乗ってい るだけ。下川氏によると、バスの虫と云うものが視え るらしく。その虫がどんな…
山田順子・訳 角川文庫 1983年 当時を知っている方ならこの映画のことも覚えて おいでだろう。かなり話題になった。マペットを つかった映画で当時のそうそうたるメンバーが集 まって製作されたようだ。 その映画のノベライゼーションだ。冒頭あたりか …
深町真理子・訳 ハヤカワ文庫 1955年 複雑なロジックについていけないところが間々あったが、 一行一行読み解いてゆくうちになんとかラストまで辿り 着き、そうか、そういうことだったのか! と膝を打った。 これはアシモフ氏の壮大な宇宙叙事詩の一角を…
2005年 11・13 「バースデイ・プレゼント」(二〇〇二) アンドレア・リー(一九五三年生) 村上春樹・訳 エキセントリックな作品なのだが、春樹さんが訳すと、なんかこうエキセントリックさが剥ぎ取られた小説になってるんじゃあないかと感じた。女性をダン…
中公文庫 昭和三十三年 詩人にして山岳画伯。なんとも言いようのない程の いい絵と個性的と云える文章に、実にうっとりとし てしまう。山を愛す人と云うのは、なんとも魅力的 で際立った人格者が多い事か。父親を失い、娘を失 い、息子を失って、哀しみの只…
賭博とチョコレートボール チョコレートボールを齧る朝に レインシャワーを浴びている パドックの横でガムを踏んだ 人々は恨めしそうにボクを見ていく まるで廃品の回転木馬になったような気分 ふて腐れて有り金を全部ベットした 縞々の服を着た女がボクのラ…
2011年 1・26 ㈬ (17:28)昨日は休みで、赤松先生のところに行ってきた。やはり合否はともかく、文学賞には出品したほうがよかろうとのこと。そのように準備していきたいと思います。Yさんとも話した。うしたまで何分かかるとか、なんとか。 サンモールの…
11・8 「鳥羽家の子供」 田畑修一郎 昭和七年 なにかこういう昔の映画があったような気がする、という感想。今ではちょっとこういう話しは書けないかな、という気がする。 「春琴抄」 谷崎潤一郎 一九三三年 新潮文庫 「鵙屋春琴伝」を引用しながら、春琴に…
今日は、親鸞(しんらん)の悪人正機について書いて いけたらな、と思っております。なぜ、悪人が救われ なければならないのか、常々不思議に思っていました。 悪人は罪を犯したからこそ罰せられるべきもの、と普 通は思うと思うのですが、悪人こそ救われる…
2005年 10・26 「飼育」 大江健三郎 昭和三十三年 ある村落に飛行機が落ちて乗っていた黒人を飼育することによって子供たちがなついて行き、裏切られる姿を描く。 10・27 「娼婦の部屋」 吉行淳之介 昭和三十三年 娼婦の部屋を訪れる男と次第に女が年を取っ…
2011年 1・22 ㈯ (17:37)タリーズコーヒーの席で、ジンジャー・ラテの泡を床に飛び散らせて汚してしまった。僕は何でも汚すという特技を持っている。 さっきロケットに行ってきた、明日で完全閉店だ。安い店は続かない。533、36インチの濃いリジット…
岩波文庫 明治三十六年 弱冠三十五歳で亡くなった俳人のなまなましい手記。 是非、仰臥漫録を拝読したくてやまなく、念願叶っ た。始め、この人はなんで吐くまでこんなに大量に ものを食べるのだろう、かと云う疑問が頭をよぎっ た。それはもう飢えた餓鬼の…
中公文庫 昭和三十二年 マナスル初登頂に成功したひとり。全部備品は国産で 一度は三百七十五メートル残して下山して失敗し、二 度目に成功した、とある。全く見知らぬ亡くなった人 の話を聞くが如く、新鮮な驚きと、目覚めに満ちてい た。こんな本に出会う…
新潮文庫 平成二十三年 何度、挫折しそうになったか解らないが熟読し なんとか読み切った。カオスをカオスとして 捉えていて、それをどう表現するかだと思う のだが、それをカオスのまま表現しようとし ていると思った。つまり、よく解らんと云う のが正直な…
智恵の森文庫(光文社) 2000年 一度読んで、ツンドクしていたのをチャレンジして 読了した。なんで断念したのか分析すると、これは 漢字が圧倒的に少ないせいなのだ。ほとんどひらが な表記。日本を代表する翻訳者で直木賞作家が漢字 を知らないわけは…
新潮文庫 1994年 「飛ぶ男」と同じくワープロに残された「飛ぶ男」の長大な 一編を成すはずだったろう短篇。こっちは透明人間篇と呼ぶ にふさわしいようだ。僕の様な愚の者にはいかにもくだらな く思える二篇だが、深読みをすると、ホモサピエンスどーだ…